top of page
「新陳代謝する、或いは蓄積する断片」
高橋順平 Junpei Takahashi
毎日些細なことでも写真に撮る。誰かに見せることもなく、自分でも見返しきれない大量の写真がデータや物質として溜まっていく。しかし、私が幼い頃撮った写真は今はほとんど見当たらない。いつ、どこで、どのように消失したのだろう。写真もいつか失くなるのであれば、私はその去り際について考える。これらの浮遊する写真は私の過去の断片だ。ゼラチンと銀だけになり、支持体を離れたイメージは、掬い上げた薄氷のように危うく失われる寸前であるが、それによって私の身体に蓄積した記憶に接近し、そして集合して有機的な立体を形成する。
2021
サイズ可変
ゼラチンシルバープリント
bottom of page