top of page

手紙をかくよ

柴田眞緒 Mao Shibata

3・11からもう10年。数日の計画停電ごときで、見渡す限り真っ白な日常に戻された私たち。大きな地震が来たって、彼女は放課後ギターを弾く。私は歌う。最早旬でもないと噂の青春パンクを。河川敷での二人だけの野音は、2019年3月が最初で最後だった。覚えていますか?あんなに綺麗で心細い夜、雪。こんな目に遭わなければ私は、カメラに夢中にならなかった。あなたが私の目指すものの価値や意味を識っている。それだけで私はまた筆を、カメラを手にとれる。今はまだこんなやり方しかできないけれど、伝達したい気持ちは(勿論、あなた以外に対しても)たくさんある。これは、一つの出発宣言だ。

2021

728×1030mm

インクジェットプリントに油彩

bottom of page