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溶けて、消えて、漂っている

永田智矢実 Chami Nagata

もしも、重く冷たい氷を抱えていたら手が赤くなって、痛くなって、感覚がなくなって ずっとは抱えていられないだろう。 落としたら、大きな音を立てて砕け散ってしまい、砕け散って小さくなった氷達はすぐ溶けて形を消していく。

 

死が近い存在なんて未だ感じることができていないけれど、これが現実だということは分かる。

 

鮮明に人の記憶に寄り添えたら、救われるものなのか?それとも、壊れてしまうものなのか?どの溶け方が正解なのかわからない。正解なんてないのかもしれない。

ただ、「すぐそこで何かが起きている」という意識だけは持っていたい。
 

​2022

サイズ可変

写真、氷

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