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「Velocity=Distance/Time」
伊藤雅浩 Masahiro Ito
われわれが「停止」していると認識できるのは、観測者もまた同じ地球上に実在している、すなわち同時刻性を有しているからにほかならない。
地球の自転速度は赤道直下においておおよそ460m/secである。仮に観測者が宇宙空間から地球上のある赤道直下の地点を観測した場合、その地点は1秒の間に460mも「移動」していることになる。すなわち、宇宙空間から観測すれば、地球上に存在するすべてのものは音速よりも高速で移動しているのである。
たとえわれわれが将来的にタイムトラベルによって時間軸上を自由自在に移動できるようになったとしても、特定の地点へと到達するためには「時間」を設定する必要がある。科学がどれほど発展しようとも、われわれはどうあがいてもこの命が続く限り時間の存在から逃れることはできないのだ。
2021-22
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インクジェットペーパー
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