「無政府主義的奇跡はミートスペースのなかに」

藤本流位　Rui Fujimoto

トマス・ピンチョンはアメリカ現代文学を代表する作家の一人である。今年で85歳を迎えるピンチョンが2013年に発表した小説『ブリーディング・エッジ』は、2001年の春分の日からその翌年の春までのニューヨークが舞台となっている。コンピュータの普及や9.11同時多発テロという史実を織り交ぜたストーリーテリングは、わたしたちが生き残る現実の写し鏡のように見える。本作品では『ブリーディング・エッジ』を通して、ピンチョンから「別の現実を思考すること」を享受する。
 

​2022

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