自然の中に入って、ずっとそこにいる。

気づけば何も見え無くなっている。

すると私は、不思議と安堵を覚えた。

 

たぶん私は、孤立している。

多くの記憶が巡ってきて、

それは例えば何人かの人間のことや自分のことなど、

でも思い出せないこともたくさんあって、私なんてとても曖昧な存在だ、と自覚する。

そして真っ暗なところ、海のそば、いつも水と水とがぶつかり合っているこの場所で、

今、私には「isolation」と言う言葉が思い浮かんでくる。

 

そうだ、

ここは宇宙の中の、他の輝ける星たちと同じような、自然だ。

私は今、私が踏みつけているこの岩と、ほとんど同じ存在だ。

きっと他の多くの木々たちも、岩も、海の水も、風もすべて、この私と同じだ。

 

私は「自然」になった。